カテゴリー:荒らし手法
大手の商業コンテンツや、個人サイトでもボランティアスタッフの手を借りる規模あたりになると発生する荒らしである。
口上は、自分のサイトでもないのに、やたらと運営に関しての注文から、蘊蓄までを頻繁に書き込みする。
実際のサイト運営とはかなり妥協の産物であるものだが、理想論に終始する。
一見、サイトのファンの要望やお願いといった姿勢を最初は取るケースケースが多いので看過しがちだが、最初の要望を聞いてあげても、そうでなくても要望という名の攻撃に転じていくのには変わりがない。
要するに、勝手に管理人に成り代わり自身の下僕のように管理人を動かそうと言う誠に勘違いした願望を持っている。これも確信犯一種類であり、自分の要望を管理人が忠実に実行すればサイトには人が集まり、もっと人気がでるなどと信じているケースが多い。
自身ではサイト運営などやってはいないが、他所のサイトを転々としている人種であることが多く、部分的ではあるが、流行サイトの人気コンテンツなどをよく知っていたりする。
扱ったテーマが時流に乗り予想よりサイトに人が集まるようになってしまったなどという管理人の場合、コロリと騙され、スタッフをお願いします・・・などと声を掛けようものならば、まさに外患誘致という他はない。
特別外部からの攻撃もなく、閉鎖に至ったサイトの経緯や、著名フリーソフトの作者が開発中止になった経緯には必ずこのパターンの荒らしが介在している。
この荒らしは、参加者としてでもスタッフとしてでも管理人が自分の言うことを聞いてくれている間は好意的態度でいてくれるものだが、元々只の野次馬程度の見識であるので、ネタも尽きるのは早い。
なんだ最初は物知りかと思ったら、自分ではロクなサイトも作っていない人だったのか・・とわかるまでに数ヶ月といった所である。
ネタが尽きた所で、邪険にしたり、別のスタッフとなにかプロジェクトを進めていようものなら、「俺に断りもなく」と平気で考えるタイプでもある。
穏便にサイトから出ていってくれることは希であり、管理者のプライベートの暴露から他サイトを経由しての批判という形を取る荒らし、また1章で述べた様々な荒らし手法を駆使する頻度が高い。
博識な人物で、その人の助けがあったからサイトがこんなに大きくなったというケースも無いことはないが、それは正に宝くじ並みの確率であり、そんな手法と経験を持っている人は例外なく自身でなにかをやっているか、実社会で会社を切り盛りしている。このタイプの掲示板の書き込みを見て誤認しないようにしなければならない。
筆者の経験では、他所のサイトに現れ、運営手法やサイト運営についての蘊蓄を垂れ流している一見「博識」に見える人種に、口上の1/3も実行力があった試しはない。
サイト管理者としては、言質を与えぬよう注意すべき人種である。月並みではあるがこの人種から寄せられる要望等については常に「参考にさせて頂きます」以上の返答はしてはならない。受け入れても拒否しても荒らしに変貌するので宙ぶらりんで放置するのが最もベターな手法である。
複数サイトを巡っているケースが多いので、1-2ヶ月もすれば、去り間際に「こっちのサイトの方がおもしろい」等と嫌みを言って消えてくれる。
世の多くの人が看過していることでも、自分にとっては許せないということはあるものだが、自分の趣好に合わないという本音を棚上げし、なにか大義名分を捻りだして、私設警察、いや私設処刑人といったヒロイズムを抱えてしまう方がいる。
例えば車好きの掲示板において、自分の車が150km/hでも速くて安定している車であることを書いたとしよう。
その発言はこの「勘違い正義漢型」の荒らしくんにとっては、犯罪自白と意味は等しく、公に犯罪の事実を語ったと見なされる。
管理人がそんな話を投稿している掲示板があった場合、彼らの攻撃に遭うのは時間の問題である。
攻撃の特徴としては、風が吹けば桶屋が儲かる式に話が非常に大きくなるのがバトルの特徴である。
上記の例で言えば、「管理人がそのようなことを書いていれば、次は200kmで速くて安定している車を自慢する人が現れるでしょうし、その次は250km、300km・・と、どんどん危険なことをする人が出ます。そんな速度で幼稚園児の列に突っ込んだら何十人が死亡するか考えたことがあるのですか?私は一人のカーマニアとして・・・」といった感じである。
可能性がゼロであると納得しない限り、万が一の仮定から生まれた可能性の話を延々と投稿しつつづけて引き下がらないという迷惑さを発揮する。
日本においては80年代後半より普及し始めたコンピューター通信。
その最初の住民は当初技術系の高級サラリーマンやメディアを職業とする者、少々裕福なマニア達の世界であった。通信に足りる設備器具を揃えるのに最低でも50万円超の金額を投じ、国際電話回線を使い英語、或いはローマ字表記で掲示板での議論や情報交換に使っていた、1986年に国内にて商用サービスが始まると共に、アスキーネット、PC-VAN(現ビッグローブ)、Nifty-Serve(現ニフティ)が立ち上がり国際電話の負荷が軽減され1分10円、3分10円の従量課金にて通信を行うことが出来た。この頃は通信の速度も300bbsという速度(現在の光回線の30万分の1)で取り込まれる文字をリアルタイムで目で追える程であった。
それ故に文字数=課金時間と言ってもよく、現在では一般的だが、投稿する文の末尾にネームサインや装飾フッタを添付することは無用な課金を膨らませるのでNG等というマナーが合ったほどだ。
また、パソコンの規格が乱立した時代でもあり、それぞれ扱える文字種やコード体系が異なっていたために、機種依存文字(別のパソコンでは何の文字か判別できない文字)などにも気を付けなければならなかったのである。
以上のような環境下においてのバトルは、基本的に「真面目な論争」であった。
元々技術スキルの高い技術者や、文系人でも当時の難解なパソコンを扱えるスキルを持つ人々であったため、技術論に始まり、比喩、レトリックを散りばめた長文をたっぷり時間を掛けて作成、投稿する。一投稿に3時間や4時間ざらに投入するのである。
また先の通信事情であるため(ダイアルアップでは、1秒接続しただけで10円の電話代と接続課金の最低分が課金される)、無駄に連続投稿などすることなく、必要なことはシステムで許される限界にまで詰め込んで一つの投稿として書き込まれることが普通であったのも長文化の傾向に拍車を掛けた。横70文字で300行といった応酬がよくなされていたのである。
現在これらの世代のバトラー達は30-40代となっており、一見温厚に見えながらもそういった戦場を歩いてきた為、基本的な議論スキルも高く、多少口達者で最近ネットで暴れ始めましたという若年層では基本的に歯が立たない。
また彼らは、周囲を味方にする文章レトリックを実戦から身につけており、味方にすれば心強いが、敵に回した場合どの角度からでも正攻法の議論でやりこめられてしまう可能性が高いのだ。
20代のWEBMASTER諸氏は、彼らをいわば会社においての老練な上司と思った方がよいだろう。
感情的ではない理路整然とした長文の投稿が合った場合、上記の歴史を元に著名パソコン通信サービスの名称や、通信速度の話などを囮で投げ込んで見れば反応があるので確認はしやすいだろう。
また、これらの世代が過ごしたネットの黎明期は、通信接続会社を除いて企業や個人のビジネス進出が殆どなく、使用ユーザーは個人が主流の時代であり、ネットにおけるビジネスや商売を毛嫌いする層が相応に存在している。
昨今個人サイトででは普通とも言える広告バナーやアフィリエイトバナーなどにも拒否反応を示す。
彼らの思想にはネットワークにおいての情報発信は無償のボランティア精神で行われるのが最も望ましいという思想があり、彼らが荒らす場合は過度の広告が目立つサイトだった・・・といった動機が内在する。
時代錯誤といえばそれまでであるが、誰が見るかわからないネットワークは公共的なものであると言う通信マナーが存在したのも事実で、企業の広告宣伝は「悪」とされていた時代も確かにあったのである。
最もよく見られる荒らしのタイプである。
なにか事件や、管理者の失態を指し類推に類推を重ね人間的評価を貶めようとする趣旨の書き込みを続けるタイプである。
困ったことに、躁鬱気質の攻撃者が多く混じっており中には本当の精神疾患に変化していく、或いは実際に患っているという場合がある。
一般的傾向として、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いといった進展を見せ、当人は確信犯としてターゲットがこの世に存在してはならない悪と位置づけていく場合が多く、入院でもしない限り攻撃が止むことはない。
筆者の見た事例では最大4年にも及ぶ攻撃を続けた者もいたのがこのケースである。
原因は基本的に些細な事が多く、場の中で仲間はずれにされた、当人にしかわからない誤読に誤読を重ねた末の妄想的中傷を受けたなど、私怨となっている場合が多い。
言動や文章内容に矛盾が多く、放置しても自然に周囲から敬遠されるようになるが、それ故孤独感を一層深刻化させ、居場所を失った喪失感の原因の責を他人に転嫁する場合が殆どである。
筆者の知るケースにおいては、オフでの顔見知りに責任を転嫁し、相手を殺して自分も死ぬといった刃傷沙汰のメールを送りつけ実行寸前といったケースもあった。
このように私怨化している場合、飽きると言うことはなく長期化するので精神的に根負けしてしまう場合が多いだろう。
上記のようなケースではなく、意図的に荒らし行為の一環として持ち出される人格攻撃はそう怖いものではない。攻撃理由として単に***があったのに態度が大きい、反省している様子がない等と言った理由だからである。一言謝ってしまえば荒らしは追撃の口実を失うので退治は容易な部類に入る。
罵詈雑言・誹謗中傷にやってくるユーザーをタイプ別に分類・解説する。
「荒らし」
今ではネットで普及した言葉だ。しかしその分類は難しい。
これまで述べてきた確信的故意の荒らしから、自覚無く場の空気を冷やしてしまうタイプまで、当人の意識の問題だけでも分類に苦労する。
ある意味、セクハラと意味は近いかも知れない、誰かを不愉快にさせた。その主観的な認識だけを持って荒らしと呼ばれることもある。
一般に掲示板などにおいては、無意味(荒らし本人にとって意味がないことはないが)な同一文章を連続して書き込んだり、量は少なくとも卑猥で下品な書き込みを定期的に書いていく。そんな存在が荒らしと認識されている。
しかし言葉ではなくても、死体やアダルト画像へのリンクを書いていく。それも荒らしにには違いない・・・その形態は様々である。
しかし、死体やアダルト画像といえども、それらの画像収集を趣味とした人間も少なくはなく、同じ行為でも、そう言った場所では評価はがらりと変わる。
そのような場は、教育委員会的視点ではインターネット自体を荒らしていると言えるかも知れないが、わざわざ、そんな場所に舞い込んで、それらの書き込みをけしからん等と騒げば、今度はその方が荒らしと呼ばれてしまうだろう。
ある意味、荒らしとは場に対して同質化できない来訪者全てを指すと言ってよいかもしれない。そこには人間の多様性を柔軟に認めようと言う精神は無いと思っていい。
これが実社会なら、相互に許容して云々という話にもなるが、インターネットの土地は無限である。異質な者達は、その異質を受け入れてくれる空間を探すか、自分で作ればいいだけなのだ。
以上を念頭に置いた上で、荒らしと呼ばれる顕著な人々を分類してみよう。
罵倒の対象は場にいる人とは限らない。
例を挙げれば、あるアイドルに関する掲示板において、そのアイドルに関して罵倒を繰り返せば、立派に荒らしである。最初は我慢していてもアイドルのファン達は程なく激高し壮絶な代理戦争となるのは時間の問題である。
また、人であるとも限らない。
対象は何かの製品であったり、ブランドでもよいのだ。
勿論一般的なのは、些細な理由で場にいる他人の非難を始め、それが罵倒にエスカレートしていくタイプであるが、共通点はある対象に好意的な場において、その対象を非難、罵倒すると言う点のみである。
動機が憂さ晴らしなので、登場からピーク到達を経て終息まで1-7日程度の比較的短期で消える荒らしである。